小話

藍ちゃんBD小話【おめでとう、ありがとう】

「失礼します。美風くん、スタッフさんから先に打ち合わせをお願いしたいと言われたんだけど大丈夫?」楽屋のドアが2回ノックされ、顔を出したチームマネージャーにそう言われて、藍は読んでいた台本から顔を上げた。「はい」「たぶんそのまま後半の収録に…

【小話】TIMBRES side-A

「ねえ、レイジ!」 強めの語気で、藍は呼びかけた。藍が見下ろす先には、ベンチに座って上を向いたまま目を瞑った嶺二がいる。ぱっ、と目を見開いた嶺二は、目の前にいた藍に相当驚いたようで。「え……?あ、アイアイ?」たどたどしく呼ばれる自分の名前に、…

【小話】TIMBRES side-R

白く細い一筋の光を瞼に感じて、嶺二はゆるりと右手を顔にかざした。まぶしいというよりは刺すような白い光。バルコニー側のカーテンの隙間から差し込むその光の強さは、時が既に正午近くであることを示していた。(昼か…)今日はオフだから…と、スタッフに…